喫食者のQOL向上のために, 食事の満足感や食心理におけるテーブルクロスの色彩効果を3種類の照度下 (12~22ルクス (暗モデル), 400~600ルクス (標準モデル) 850~1050ルクス(明モデル)) の元で分析した。 喫食者の心理に見合ったテーブルクロスの効果的な使用は喫食者のQOLを上昇させることが示された。 400~600ルクス下において, カラーチャートから多くの被験者に選択された好みの色 (青と赤) は食卓に相応しいテーブルクロスの色 (ベージュや白) と異なっていた。共に食事をしたいと思う人数は, テーブルクロスの色よりも, 明るさに影響していることが示された。大人数で食べたい場合は, 850~1050ルクス下での赤・黄・ベージュ・青が, 少人数で食べたい場合には, 12~22ルクス下での赤や黄, あるいは400~600ルクス下でのベージュ, または850~1050ルクス下での黒が好まれた。カップルで食べたい場合は, 12~22ルクス下の黒がもっとも好まれた。 また, 850~1050ルクス下のベージュ, 白, 黄のテーブルクロスは, 食欲を増進させたり会話を促したりする効果があった。さらに, 癒しの空間を演出するためには, 400~600ルクス下のベージュのテーブルクロスが相応しかった。 このように, ベージュのテーブルクロスは, 様々なTPOに最も適応できる色であることが明らかとなった。