筆者らは, イギリス及び北海道の研究機関との共同で幅広い範囲の発酵食品におけるフラノン化合物の生成機構や増強技術に係る研究を行っておられる。このうち,「麦味噌のフラノン化合物に関する研究」は, 平成11年度本協会技術賞を受賞され, その概要は本誌 (94, 526) にも解説されている。今回は, 筆者に, 上記研究成果の全体像ともいうべき, 微生物によるフラノン化合物の生成機構とその産業的利用について解説いただいた。