清酒醸造において, これまで造りを一手に担ってきた杜氏や蔵人の数が年々減少し, 年間雇用者による清酒醸造が徐々に広がりを見せている。その場合, 単に造り手が年間雇用者に代わるだけでなく, 製造計画, 品質の確保, 作業のマニュアル化などさまざまな検討課題がある。筆者は年間雇用者による清酒醸造について相談実務の経験があり, そこで実例を上げながらその考え方や課題及び対処法について解説していただいた。今後, 年間雇用者への切り替えを考えている清酒醸造場に貴重な情報を提供している。