1.麹菌の酵素生産に及ぼす原料米のタンパク質組成の影響について検討した。原料米のタンパク質組成の構成比は品種によって大きく異なり, プロラミンはグロブリンと正の高い相関関係, グルテリンと負の高い相関関係が認められた。さらに, 易消化性タンパク質を構成するグルテリンとグロブリンとの間には負の高い相関関係が認められた。 2.デンプン分解酵素のα-アミラーゼとグルコアミラーゼは, グルテリンが多くプロラミンとグロブリンが少ない原料米において酵素生産が多かった。 3.酸性プロテアーゼは, グロブリンが多くグルテリンが少ない原料米において酵素生産が多かった。 4.酸性カルボキシペプチダーゼは, 原料米のタンパク質組成とは全く有意な相関関係が認められなかった。 終わりに春陽を提供していただいた増永寛氏 (ジーンバンク事業による実証圃担当農家) に厚くお礼を申し上げます。