1. Absldia 属株は, 蒸米上で生育ができることを確認し, 自動増殖測定装置を用い生育優良株として Absidia A-68を選択した。 2. Absidia A-68の最適増殖条件は, 蒸米吸水率52%(16から52%の範囲で), 精米歩合90%(65%から90%の範囲で), 増殖温度であった。酵素生産量ば, この条件で蒸米吸水率をやや低くすることにより向上した。 3. 清酒麹に用いられる A.oryzae 128と比べ, 最適増殖条件においても, 増殖量は約70%, 酵素活性は酸性プロテアーゼはやや高いものの, α-アミラーゼは1/100, グルコアミラーゼ活性は約半分と低く, R.javanicus 5501と同様な増殖活性と酵素活性を示した。 4. 精米歩合70%の蒸米を用いた長時間製麹 (109時間) においては, 十分な生育が認められたが, 糖化系の酵素活性が極めて低く, 製造された Absidia 麹を用いた小仕込試験では, 発酵が弱かった。