鰹節出汁粕と鰹エキスを培地として醤油用麹菌が良好に生育した。培養条件の検討により蛋白分解酵素活性の高い “純” 魚麹を得ることが出来た。鰹頭及び内臓, 真鯛中骨等の魚残渣を食塩存在下に “純” 魚麹で分解熟成することで, 新規な魚調味料が得られた。麹の原料に魚のみを使用しており, 得られた調味料は東南アジア原産の魚醤油と同程度の淡色であった。 アミノ酸分析の結果, コラーゲンを構成するアミノ酸のグリシン, アラニン, およびプロリンを豊富に含むことが確認された。 魚調味料を使用した調理では, 油, 食酢, 香味食品の添加および加熱調理により, 魚調味料特有のにおいが抑えられ, おいしいと評価された。