米麹を全く用いない酵素剤仕込で, 高濃度 (20%以上) アルコール生成に及ぼす精白米の影響を検討した。 最高のアルコール生産量は, 90%精白米使用もろみが21.7%, 70%精白米使用が20.6%, 60%精白米使用が20.0%であった。その他, 初期の生菌数最高のアルコール濃度に達するまでの速度生存能のアルコール耐性も粗精白米使用の方が秀れていた。このように差が生じたことは, 白米中には添加した栄養源の外に高濃度のアルコール生成を促進する物質が存在し, 精白度の違いによってこれらの物質の含有量に差異があると推察した。しかし, 60%精白米使用もろみでも20%濃度のアルコールが生成されたことから, 高濃度アルコール生成に米麹の使用が必須条件とはならない。