1.黒糖しょうちゅう蒸留廃液を高温で処理する目的で, 各種酵母をスクリーニングした結果, Hansenula fabianii K24が良好な結果を示した。 2. H. fabianii K.24菌は黒糖しょうちゅう蒸留廃液中で23~41℃の広い温度範囲で良く増殖し, 有機物を資化分解した。 3.黒糖しょうちゅう蒸留廃液中には, 塩基性, 酸性, 及び中性の各有機物がほぼ等量含まれており, 酵母処理により大部分のアミノ酸及びグリセロール及び低級カルボン酸は資化分解されたが, タンパク質, ピログルタミン酸並びに高級脂肪酸及び脂肪と推定される成分は資化分解され難いことがわかった。 終りに, 酵母の同定に際し, 種々御教授いただいた小玉 (名) の小玉健吉博士, 試料の提供の便宣を与えていただいた奄美大島酒造組合, 朝日酒造 (株), 西平酒造 (株) 及び熊本国税局鑑定官室に厚く御礼申し上げます。 本研究の一部は環境庁国立機関公害防止等試験研究費によって行われた。