浸漬, 蒸し時間を変えて蒸米を調製し, その構造とアミラーゼによる消化の過程を走査型電子顕微鏡下に観察し, 分析値と比較した。 1.浸漬米粒はでんぷん単粒までの構造が認められた。 2.10分間蒸した米粒はでんぷん粒までの構造が明瞭であるが, 蒸し時間が長くなるにつれて割断面の大部分がガラス状になり, 蒸し50分後には僅かに胚乳細胞の輪かくのみが認められた。吸水率, 消化性も同様に増大したが, アミノ酸度はほぼ一定であった。 3.浸漬時聞を変えて調製した蒸米の構造は短時間浸漬試料ではでんぷん粒構造が明らかに認められたが, 40分間以上浸漬すると割断面の大部分がガラス状となり, 蒸米の吸水率, 消化性とも最大値に近付いた。