昭和49年産米14点について各種性質 (29項目) の分析を行い, 各項目間の相関関係を検討し, その相関行列を用いて因子分析を行った。 1) 品種, 産地特性および諸性質問の相関関係は47, 48年産米とほぼ同じ傾向にあった。 2) 因子分析により共通因子として5因子を抽出すると寄与率は約85%であった。寄与率の最も大きい被消化性に関する因子では因子負荷量の大きな項目に玄米の幅, 無白率, 蒸米の被消化性, 吸水評点, 吸水率比, 千粒重などがあり, 従来米の酒造適性と考えられていた項目のほとんどを含んでいた。 3) 各分析項目の因子負荷重より各項目の持つ内容や関連性を検討した結果9米の性質を説明するときその内容が似かよっていると考えられる項目のグループの存在が認められた。 4) 各試料の因子スコアーを推定し, 品種, 産地の特性や分類を試みた結果, 八反と山田錦の性質が似ていることや, 一般米ではアケボノ, 金南風などが心白米に近い性質を示すことなどがわかった。