ピルピン酸の熟成中の変化に影響を及ぼす要因を, 各々単独の場合と23型多元配置法で組合ぜた場合について検討した。 ピルピン酸の熟成中の変化は, アセトアルデヒドの場合と同様に最終的に減少するが, その間ピルピン酸の含量と, その変化に関与する成分との或る量的パランスによって左右され, ピルビン酸が相対的に多い場合は, 見かけ上減少を示し, 少ない場合には増加を示した。貯蔵温度が高い場合は, その増加または減少反応がより促進された。 また, ピルピン酸の増加反応は, 溶存酸素が少ない場合により促進され, この点アセトアルデヒドの場合と明らかな差違が認められた。 金属の中では, Fe3+およびCu2+にピルピン酸の生成促進効果が認められた。