協会7号酵母から分離したアルコール耐性の著しく強い2変異株 (6-4-C, 26-3-C) の菌学的諸性質は親株の協会7号酵母とほぼ同じであったが, 次の点で違いがみとめられた。 1.親株と比較して6-4-C株はmaltoseの資化性, 発酵性が著しく弱く, α 一methy1-D-g1ucoside (α一MG) のそれも小さかった, 他方26-3-C株ではmaltoseの資化性, 発酵性が大で, α 一MGのそれは小さかった。 2.パントテン酸欠乏培地における生存率, 酵母懸濁液 (水中) での生存率が変異株の方が著しく大であった。 3.変異株はいずれもKiller factorに対する抵抗性が大であった。 4.酵母細胞壁に存在するとみられる酸性フォスファターゼ, インベルターゼの活性が, 生菌体で測定した場合いずれも親株よりも小さかった。