1) 白米の吸水様式を知るために簡便で適確に判断しうる方法として吸水評点法を設定した。20℃, 15分間浸漬後の白米の吸水の程度を肉眼観察で評定するための基準を設け, その程度を1~5の5点法で採点した。 2) 白米の吸水様式は, 心白粒, 腹白粒, 無白粒によって異なるので, 試料をこれらの粒に分けて各々の吸水評点をつけ, これらの粒の含有率を乗じた積の和をもってその米の吸水評点とした。 3) 吸水性は, 心白粒, 腹白粒, 無白粒の順に低下し, 米の品種によっても異なり, 出穂期の遅いものほど吸水性が高い傾向がみられた。 4) 吸水は腹側から粒表面に沿って開始し, 腹白粒はとくに腹側からよく吸水して亀裂を生じやすく, 腹部から開裂する場合が多い。心白粒はさらに亀裂を生じやすく, 吸水性もよく, 心白面に沿ってタテ割れする場合も多い。 5) 吸水評点は, 玄米千粒重, 心白率, 白米の20℃, 15分の吸水量, 蒸米の消化性と相関し, 73%精米に要する所要時間, 無白率, 吸水率比, 蒸米の消化残渣率, こうじの消化残渣率と逆相関する。