清酒の劣化防止について, 脱色, 着色防止を主体とし, 粉末活性炭素の使用方法と, その使用量について, 検討した。 脱色, 日光着色防止への炭素処理の効果は, 生酒で炭素処理後, 火入時炭素投入 (以後張り付と略記) したものより, 炭素無処理で張り付のみの方が, 高い傾向が見られた。その効果を示す炭素の使用量は, 多ければ多い程顕著であるが, 最低500g/k l 以上と考えられた。 また, 炭素の効果的使用時期と, その量的検討結果は, 生酒から出荷時迄の, 炭素総使用量を1.5kg/k l と仮定した場合は, 生酒での炭素処理に100~300g/k l , 張り付に700g/k l , 詰口前に500~700g/k l 程度の処理を行うと, 効果的であった。