北海道産米と本州産米とで清酒の仕込み試験を行ない, 製成酒の成分ならびに酒質について調査し, 製造時の所見, 製造諸歩合について比較検討して次の結果を得た。 1. 本州米にくらべて発酵が進みがちで短期モロミになりやすく, 製成酒の日本酒度は辛口に, アルコール度数は高目になる傾向がある。 2. 鉄マンガン, 銅など酒質に悪影響を及ぼす微量金属類の含有量に差はみられなかった。 3. きき酒テストの結果, 新酒, 古酒ともに酒質に有意差はなかった。 4. 製造時の所見では, 本州米にくらべて若干の難点が指摘された。 5. 製造諸歩合に差はみられなかった。