精米機, 抵抗, 回転数が精米にどの様に影響しているか検討するため, 三元配置法に依り実験計画を組み, 無効精米率, 吸水歩合, 残芽率, 除蛋白率, 除脂肪率, 精米時間に就いて調査した。実験結果を要約すると 1) 無効精米率に対し, 抵抗が5%, 回転数が1%有意であった。抵抗は大きい方が無効精米率は小さい。回転数は4水準について実施したがC2 (小回転より大回転に変更のもの) 以外は大差無く, 回転数を早くしても無効精米率が大きくなるとは限らない。但し, 目標とした精米歩合は80%である。従って, 精米歩合の低い, 即ち精白の高い場合についてもこれらの結果が妥当か否か改めて検討する必要がある。 2) 吸水歩合についても無効精米率の場合と同様, 抵抗を大に, 回転数を大にした場合大である。 3) 残芽率は回転数のみ1%有意で, 回転数の大なる時, 残芽率は小さくなる。 4) 除蛋白率は, 抵抗, 回転数が5%有意で, 抵抗大きく, 回転数の小さい程, 大きくなる。 5) 除脂肪率は回転数が5%有意で, 回転数大なる方が脂肪除去率は高くなる。 も) 精米時間については, 抵抗と回転数が1%有意で, 抵抗大で, 回転数も大なる場合, 精米時間は短縮される。 以上の結果より, 精米方法として, 精米作業, 精米機の運転に支障を来たさない範囲内で, 回転数を早く, 抵抗も充分かけた方が, 精米時間も早く, 無効精米率も小さく, 吸水歩合も大となる。回転数の早い場合に, 抵抗を小さくすると, 丸型精米となるので, 好ましくない。回転数の早い場合には, それに応じて豚抗を大にする必要がある。 今回の実験に於いて, 米の水分を測定しておれば, もっと明確に各要因の影響を知ることが出来たものと思う。又ロールの要因も取り上げる必要があったが, このことに就いては, 改めて検討するつもりである。 終りに臨み, 終始御指導を戴いた醸造試験所野白先生, 本報告の発表を許可された小林米三郎社長, 田中靖晤常務取締役並びに, 分析の一部を担当した千葉芳弘君, 精米工場各位に感謝します。