Takadiastase, こうじ酵素液, こう一じと3種の清酒もろみを比較して. そのamylaseの消長を観察した。その結果 1) もろみ中にあるα-arnylaseは, 蒸米によく吸着される事実を, もろみ全体として保有しているものと, その濾液とを対比することにより, 一層明確にした。 2) 全糖化力も吸着されるが, その吸着はきわめて100seであって,容易に溶出ができることを確めた。 3)上槽によってα-amylaseはかすにより多く, 全糖化力は新酒により多く移行することをしった。 4) 3種のもろみは, それぞれ酵素供与の型が異るため, amylaseの動態, すなわち吸着, 遊離, 失活の度合が異ることを認め, これによってこうじの特性を明らかにした。 なお本実験に際しては恩師故山崎何恵先生ならびに本江元吉先生の御鞭達を戴き, また鈴木明治所長, 山田正一前所長の御指導をと, 所内の各位から御援助を受けました。厚く感謝の意を表します。