1.Voges proskauer法により各種醸造物について, Diacetyl, Acetoin, 2, 3-butyleneglycolを比色定量する場合の阻害物について検討し, 前処理法を行う事によつて阻害作用のない事を確かめ定量を行った。 2.Diacetyl, Acetoin2, 3-butylene glycolの含量は醸造物によっても多少の差はあるが, 2, 3-butyleneglycolが圧倒的に多く, Diacetyl, Acetoinは極く微量にしかみられなかった。 3.清酒中の2, 3-butylene glycol量は合成清酒の量倍の5~7位多いことがわかった。 4.所謂酸臭・「ツワリ」香等で落選した鑑評会出品酒中には揮発酸が多く, 醪の醗酵が異状であったことが考えられる。 5.市販ビールに2, 3-butylene glycolが少ないものが見受けられたのは, 醸酵又は貯蔵日数が短かかったためではないかと思われる。 尚実験の一部を手伝って下さった清水淑子氏に謝意を表します。