1. 醸造用水中のカリウムを亜硝酸ゴバルトナトリウム法の間接的容量法 (キレート滴定) 及び炎光光度法の2つの方法により分析定量し両者の分析値はよく一致した値を得た。 2. EDTA溶液によるコバルトの滴定における指示薬の選定, 最適のpH及びNH4+濃度の範囲を探索した。滴定の際pH7.0~8.o, NH4+濃度は1/2Mol以下, 指示薬としてMurexideが最適である。 3. EDTA溶液によるカリウムの間接定量を酒造用水中のカリウムの定量に採用した。酒造用水は1/10~1/20に濃縮して測定した。 4. 炎光光度法に於ては標準カリウム溶液をカリウムとして0~30mg/ l の溶液を調製, 検量線を作製し, 酒造用水を定量した。このうちカリウム含有量が30mg/ l 以上のものについては試料を倍量に稀釈して定量を行つた。 終りに臨み御指導, 御校閲を賜つた上野室長に深謝します。なお九大農学部のフレームフォトメーターの使用に際して便宜を与えられ, 種々御懇切なる御指導を賜つた青峰教授, 東氏に対し深甚なる謝意を表します。