1. 新に清酒酵母について再び亜硫酸馴養を施し, その馴養過程中における耐性株の出現頻度を平面培養法により検して, 亜硫酸馴養による耐性株の出現は多段階式変異によるものと考えた。 2. 不馴養株及び馴養株の胞子解析を行い, 之等の間の交配により生じた雑種は総て耐性を示し, 亜硫酸耐性は優勢的に遺伝した。 3. この雑種の50のAscusについてTetrad analysisを行つた結果, 耐性と感受性との比率が2: 2のものが13, 4: 0が11, 3: 1が26となつた。このことよりこの亜硫酸耐性は2つの優勢遺伝子よりなるPolymericgeneによることを推論した。 終りに臨み種々御指導御鞭撻を賜つた恩師坂口先生並びに山田先生へ厚く感謝致します。