レジリエンスは誰もが身につけられる精神的回復力であると言われているが,レジリエンスを導く多様な要因の中には後天的に身につけやすいものと,そうでないものがあると考えられる。本研究では,それらの資質的・獲得的な要因を分けて捉えるために,Cloningerの気質–性格理論(TCI)を用いて二次元レジリエンス要因尺度(BRS)を作成することを目的とした。大学生ら246名を対象に調査を行い,TCIとの関連性から選出された項目の探索的因子分析により,資質的レジリエンス要因として「楽観性」「統御力」「社交性」「行動力」,獲得的レジリエンス要因として「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」の7因子が見出された。さらに759名へ調査を行い,確認的高次因子分析および既存尺度との関連から,BRSの二次元構造と妥当性が確認された。また,TCIの気質・性格との関連性から,下位尺度の基準関連妥当性が確認された。