本研究の目的は,クラシックバレエにおける初心者の内的意識の変化を検討することであった。具体的には,練習後の内省報告を元に,3つのカテゴリーを作成し,練習時期による意識の変化を検討した。さらに,「わざ」の習得の認知構造の自己を客観視する段階である調査協力者の認知面に注目し,どのような特質を持つのかについても検討した。その結果,新しい意識が生じ,それまでの意識は対照的に減っていくことが明らかとなった。また,道具や動きのある技を離れた広い視野での認知や,元々認知していた全体的な身体部位からより具体的な部位に意識が生まれるというような細分化された認知が生じていることが示唆された。