本研究では,攻撃性について,反応的表出性攻撃,反応的不表出性攻撃および道具的関係性攻撃の3分類を用い,児童における3タイプの攻撃性から正負感情への影響を検証した。小学校4年生~6年生718名を対象に,日本語版児童用正負感情尺度とP–R攻撃性質問紙を行った。その結果,不表出性攻撃の高い児童は低攻撃児よりも高いネガティブ感情を示したが,表出性攻撃児および関係性攻撃児においてはネガティブ感情との関係は見られなかった。この結果は,先行研究を支持するものであり,不表出性攻撃児の問題性をさらに強調し,将来の抑うつ対するネガティブ感情によるスクリーニングの可能性が論議された。