本研究の目的は,問題行動を起こす生徒の学級内での位置づけと学級の荒れおよび生徒文化の関連を検討することであった.中学生645名(男子310名,女子335名)を対象に,学級内での位置づけの測定,問題行動の経験尺度,学級の荒れ尺度,不良少年のイメージ尺度を実施した.まず,問題行動の経験が多い生徒が学級内で排斥されているのかあるいは受容されているのかを検討した.その結果,問題行動の経験が多い生徒が学級内で排斥されているわけではないことが明らかになった.次に,問題行動を起こす生徒が排斥されている学級と受容されている学級においてどのような違いがあるのかを検討した.その結果,問題行動を起こす生徒を受容する学級ほど,学級が荒れており,問題行動を起こす生徒の活動に対して支持的な雰囲気があることが明らかとなった.最後に,今後の問題行動研究の方向性が論じられた.