1. 芦粟は収穫後放置すると茎桿中の庶糖の転化が認められるが,その作用は比較的弱く,被覆を施すことによりさらに転化を抑制することができる。 2. 芦粟茎桿搾汁においてもわずかではあるが庶糖の転化が認められる。しかし,その作用はきわめて微弱であり,低温に保つことによりさらに抑制される。 3. 芦粟中のインベルターゼは生育時間によりその活性に著しい差があり,発芽時に最大の活性を示し,生育とともに減少する。また生育の進んだものでも茎桿部,その他に比べ,葉において大きな活性を示す。 本研究を行うに当り試料の御恵与をいただいた本学部林四郎教授,肥培管理に御助力をいただいた鈴木正行氏に深甚の謝意を表する。