蔬菜の調理加工或は加工蔬菜の変色等には,それに含まれるペクチンが何等かの意義をもつことは想像に難くない。しかるに,現状では,その含有量さえも必ずしも明白でない。それは,その含有量が少いために,従来の定量法では精確な結果を得難いことに起因するものと思われる。他方,著者1)はさきに,コロイド滴定法による植物体中のペクチン定量法を発表し,本法は従来の方法に比して定量操作が極めて簡単で且つ少量のペクチンでも精確に定量しうることを報告した。本研究は蔬菜のペクチン含量を知ると同時にコロイド滴定法の適否を再吟味する目的で着手し,良好な結果を得たので,その具体的定量法及び実験結果を報告する。