本研究は,自然言語表現から,心的状態が言語表現に与える影響を捉えることを試みる.ブログ記事とアフィリエイト広告を対象として,広告の有無によって,言語表現に異なる特徴が現れるかを検討した.商品紹介記事を分析対象に,計量文体分析と内容分析,修辞表現の比較を行なった.この結果,広告のある記事ほど,記事文中に書き手の受けた印象や雰囲気の記述が多くなった.さらに,書き手の意見や印象を強調する表現が多く現れていた.また,広告のある記事には,逆接を挟んで評価を逆転させる,商品評価の表現が多く見られた.これら表現の差は,ブログ閲覧者の購買行動喚起に対する,ブログの書き手の意欲の差によるものと考えられる.