Project Next-Lは,次世代の図書館システム開発の主導権を図書館関係者自身の手に取り戻し,オープンソースによる図書館システムの仕様を図書館員が共同で作成することを目指すプロジェクトである。Project Next-Lの仕様をもとに開発された統合図書館管理システムNext-L Enjuは,一般的な図書館システムの機能を備えるほか,Web2.0に対応した各種の新機能,図書と電子ジャーナルなどの電子的情報資源を一元的に管理する機能,FRBRに対応した書誌レコードを管理する機能など,数多くの新しいサービスに対応する仕組みを備えている。また,Next-L Enjuはオープンソース・ソフトウェアとして公開されており,自由に利用することができるという点も大きな特徴である。Next-L Enjuは2012年1月から正式公開された国立国会図書館(NDL)サーチのベースとして採用されているほか,物質・材料研究機構の図書館や南三陸町図書館で実際に稼働しはじめるなど利用が広がりつつある。