大学全入時代を迎え,日本の大学は厳しい競争環境の下に置かれている。学生募集は,大学の生き残りに関わる重要な要素になっている。その中で,大学の提供する情報は,大学からの発信と同時に,大学のランキングやガイドブックという形で大学外からも発信され,その需要が飛躍的に高まっている。アメリカでは,10年以上前から,現在の日本のような状況になっている。その時,大学による大学ガイドへの情報提供に多くの不正が生じ,社会問題に発展している。本稿では,この問題を解決したCommon Data Set(CDS)に焦点を当てている。CDSは,主に大学ガイド出版社が,大学情報を収集するために用いる共通化された質問集と定義集である。その開発の背景と開発過程を明らかにし,大学情報の管理と質保証のあり方を述べている。