電子出版では電子ジャーナルサービスを支える,XMLなどに代表されるメタデータを作成することが必須である。日本の主な学術ジャーナル出版では冊子製作後に電子ジャーナル用データを作成することがまだ多く,速報性に欠けるなどいくつかの電子ジャーナルの利点を生かせていない。日本化学会では国際標準的な電子出版を目指してSGML,TeXなどのメタデータを利用したさまざまな手法を経験した。それらのメリット,デメリットと国際状況を考察し,その結果を踏まえて改良し2009年から開始した国際的にも通用する新しいXML出版体制を紹介して運用と課題を考察する。この体制では,eXtylesというツールを利用してMS-Wordから直接NLM-DTD準拠のXMLを作成し,できたXMLを利用して版下を作成後,著者校正が終わり次第すぐに電子ジャーナル公開が可能になる体制となった。