ファインケミカル分野での有望中間体を提案することを目的として,本稿ではChemical Abstracts(CA)文献を利用する探索方法を紹介する。本手法では,抽出した中間体はすべてCA文献中に記載があり,かつCASが構造を特定して索引されたものである。成長分野である治験薬を対象としてその合成に利用される中間体のうち複数の治験薬に利用される中間体(共通中間体と呼ぶ)を抽出した。このように中間体の用途が多いということは,中間体ビジネスにおいて重要な要素のひとつである。本稿で検証した共通中間体は,多岐にわたる疾病分野(母核構造)の治験薬,さらに複数の開発企業の治験薬に利用されていることがわかった。