ファインケミカル分野での有望中間体を探索する新規手法として,合成デザインシステムSYNSUPを活用する方法を紹介する。本手法は,ファインケミカル分野の化合物を標的としてSYNSUPを実行し,有望中間体の候補化合物を自動的に発生させることに特徴がある。本手法を用いて提案された共通中間体化合物を既存の中間体と比較した。その結果,共通中間体の中には,既存の中間体に加えてさらに新規な中間体候補が含まれることがわかった。合成デザインシステムを利用する有望中間体の探索手法は,化学品を対象として,新規かつ有望な中間体を見出す目的に有用であると評価できた。さらに今回開発した「中間体抽出システム」は,大量の化合物情報をすべてコンピュータ上で自動実行させることが特長であり,従来の人的な個別調査では不可能なデータ量を基に有望中間体の探索を可能にした新規な情報管理手法である。