“灰色文献”の主要な部分はそれに対するアクセスさえ改善されればその灰色性は消滅し,通常の文献資料と同様に利用できるようになる。米国のNTISが提供している技術報告書類がそれである。この論文では研究者の立場から見て,技術報告書を作成する理由,研究調査のプロセスにおけるその意義を述べた。また報告書作成機関と情報収集機関のそれぞれの立場からみた標準化などの問題点,利用者からみたその利用価値にふれ,最後に情報ネットワーク技術の進展の現状から,従来のいわゆる“灰色文献”は通常の文献資料情報に含まれるものと,依然として入手しにくい情報·資料に二極分解するであろうと述べている。