前号の叙述に続き,情報技術の本格的導入と,国際化の進展が日本大企業の情報管理体制にどのような影響を及ぼしているかを述べた。日本企業では現場に密着した戦術的な情報の管理運用は広範かつ効率的に行なわれているが,戦略的情報システムの運用については必ずしもそうではなく,今後検討を要する問題があることを指摘。また製造業における海外生産の拡大と情報管理との関係についても問題点をあげた。最後に日本企業の情報管理体制の特徴のうち,近い将来の情報指向組織にとって学習可能な一般的特徴を経営学者ドラッカーの議論を援用して述べた。今後の情報化社会において重要なことは,情報技術ではなくそれを用いる人間である。