英国では高等教育財政審議組織により, 大学の図書館·情報施設に関する見直し調査が行われ, 1993年12月成果として「フォレット·レポート」が刊行された。パーリー·レポート以来のこのレポートは, 高等教育の拡大や情報技術の発展により急速に変わりつつある状況における図書館に注目する。これらの変化の要因は, 大学図書館のあり方にいくつもの問題を提起しているのである。本講演では, まず調査の動因, またレポートの主要な結論にふれた後, フォレット·レポートがまとめた高等教育機関における情報流通のための新たな方策を概観する。すなわちネットワーク利用, 情報のディジタル化, オンデマンド出版, 電子雑誌, データベース政策, あるいは教育訓練などである。これらは, 今後3年間に約2千万ポンドが授入される「ディジタル·ライブラリー」計画を実現するための構成要素となるものである。