明治政府は, 維新後早々に, 岩倉具視を団長とする大型使節団を, 欧米に派遣しアメリカ, イギリス, フランス, ドイツ等の先進国の政治, 経済, 科学技術について調査を行った。当時1870年代は, 世界的に見て, 科学技術の活動の中心が, イギリスやフランスから新興国ドイツ, アメリカヘ移りつつあった。このような過渡期の科学技術の事情を直接見ることができた使節団の報告は, その後の日本の近代科学技術の導入に大きな影響を与えた。