エレクトロニクスの技術の進歩によって, 写真などの画像情報をデジタル化してコンピュータの記憶装置に蓄積する事が可能になり, 写真データベースを作成する動きが現れている。1990年4月に大阪で開かれる「花の万博」の「写真美術館」で展示される写真データベースもその一つ。写真のような画像情報のデータベースといっても, その検索は言語に依存せざるを得ないが, 文献情報とは違った点も多く, 写真データベースの書誌情報の記述に関する指針ないしは基準づくりには多くの論議を重ねる必要がある。本稿では, 花博写真美術館の事例を紹介するとともに, 写真データベースにおける書誌要素を撮影行為, 撮影技法, 標題, 主題の4カテゴリーに分け, 特に検索キーとなる主題要素として, 感覚情報, 主題分類, キーワードの3種類を設定して, 考察した。