図書館でのオンライン検索サービスの利用が進むにつれて, 一次資料の入手要求も増大する傾向がみられる。この傾向の程度とそれに対する現在の対処法を明らかにするために, 1985年にアンケート調査を行った。回答数は, 企業体図書館60, 大学図書館41, 試験研究機関図書館11の合計112館である。オンライン検索サービス導入後, 企業体図書館では一次資料の入手要求が顕著に増加し, しかもその増加分の多くはオンライン検索の結果生じたものである。一方, 大学図書館では顕著な傾向はみられない。館種を問わずほぼ全部の機関が自館内では資料の入手要求に十分対処できず, 企業体図書館では外部情報サービス機関の利用, 大学図書館では相互貸借によって, それに応えている。資料申込方法は, 前者ではオンライン申込, 後者では郵送が主である。どの館種でも収集計画を見直す例は少ない。したがって, 外部情報サービス期間や相互賃借のより一層の利用を可能とする体制の確立が急務である。