臨床的に健康なサラブレッド種競走馬377頭を用いて, 種々な区間のトラック輸送が末梢血中の白血球数にどのような影響を及ぼすかについて観察した。その結果, サラブレッド種競走馬の生理基準値と比較して, 輸送後の白血球数, とくに好中球数は増加すること, 輸送距離が長くなる程, 白血球数が増加傾向を示すことが判明した。これら白血球増多は輸送直後をピークとして, 以後減少した。 白血球, とくに好中球が輸送距離の増大と共に増す傾向にあったことから輸送ストレスに起因したストレス性好中球増多であったことが示唆された。