「いもこんにゃく」の力学的特性の形成における, マンナン粒子の大きさの影響と, 「飛粉」配合の影響を明らかにするために, こんにゃくの破断試験, クリープ試験を行った。「のり」の物性は, 高齢者特定保健用食品試験法に準じて圧縮試験を行い, 微細構造観察はSEMによった。マンナン粒子は40-62, 62-83, 83.100, 100-120meshの4区分とし, 「飛粉」配合は, マンナン量の3割, 6割を, 「のり」膨潤温度は35℃, 90℃ の2条件を設定し, 次の結果を得た。 1)各区分のマンナン粒子によるこんにゃくの物性は, 粒子が小さいほど破断歪が増大し, 初期のみかけの弾性率は小さくなる傾向がみられた。この傾向は膨潤温度が90℃ であっても同様で, マンナン粒子単独使用の場合, こんにゃくの物性に及ぼす膨潤温度の影響に大差はみられなかった。 2)しかし, 「のり」の状態では, 83mesh以上の小粒子では, 90℃, 2時間の膨潤で, みかけの弾性率(初期)の増加が認められた。 3)各区分のマンナン粒子に「飛粉」を配合した場合, 粒子が小さく「飛粉」量が多い方で, 破断歪は大きくなり, また, 初期のみかけの弾性率は小さくなった。この傾向は膨潤温度90℃ で顕著であった。 4)「いもこんにゃく」特有の粘り感のある特性の形成要因として, 83-100, 100-120meshのマンナン粒子, 「飛粉」量, 膨潤温度(高温)が指摘でき, これらが相互に関連して作用することを示唆した。