露光した写真ガラス乾板を金チオシアネート錯体の水溶液に浸漬すると, すでに報告したように金微粒子が潜像核上に沈着し, 金微粒子のプラズモン吸収による赤紫色のネガ像の画像が得られた.これを最高480℃ で焼成するとゼラチン層は燃焼して除去され, 基盤上に金の膜からなる画像が残された.この像は透過光では青紫色のネガ像として観察されるが, 反射光では金光沢を持つポジ像として観察された.この写真画像は基盤のガラスと画像を作る金の膜とからなり, 両者とも化学的に安定であるため, この写真は保存性が良好である.