カラー写真印画の主要被写体色について, 強制劣化の結果生じる変退色をCIELAB色空間の色差として表示し, 強制劣化の温度条件との対応から色差を指標とするArrheniusplotを試みた。これより, 色変化が主観的に許容される色差の閾値を ( ΔE*ab =5) として暗所保存寿命の予測を行った。その結果, 従来のcyan, magenta, yellowの濃度変化に基づく場合よりもかなり短期間の寿命が予測され, 経験的実態との一致が示された。主要被写体色の変化を主観と対応して表す色差は, この種の予測に対して有用な指標であると結論される。