現像反応の, より厳密な電気化学機構に基づき, 写真乳剤の現像進行過程のシミュレーションを試みた。シミュレーションには, 乳剤層内の光量変化を考慮し, Hamiltonの潜像形成機構に基づいて潜像サイズ分布を見積もり, 更に現像液から乳剤層内への現像薬の拡散の効果も考慮に入れた。得られた結果は, 現像後期段階に特有の現像速度の低下を, また, 現像液の酸化還元電位が特性曲線に及ぼす効果をよく説明するものであった。