我々は, X線写真粒状の新しい評価尺度として, 物理的に求めたウィナースペクトルを視覚のMTFを使って心理物理的に修正し, 2次元の積分をして求める心理物理的RMS粒状度の σp を提案し, その濃度依存性が肉眼で粒状を観察した主観評価結果とよく一致することを報告した [ J.Photogr.Sci ., 43,103 (1995)]。本論文では, 非対称増感紙-フィルムシステムのフロントとバックの増感紙の感度比を変えて粒状の程度が異なる試料を作成し, 各々について求めた物理的粒状と σp の濃度依存性を主観評価結果と比較した。その結果, 物理的評価結果は主観評価結果と一致しなかったが, σp はよく一致した。このように, X線写真粒状の新しい評価尺度としての σp の有用性を確かめ, さらにその信頼性を高めることができた。