現在, 写真プリント時の濃度補正を行う場合, ネガフィルムにおける固定領域の濃度平均, 分散等をパラメーターとして露光制御を行う手法が用いられている。この手法はシーンの内容を考慮していないため十分な補正を行えない事がある。本研究ではネガフィルム上の濃度変化の大きい領域をHaar関数を用いたWavelet変換を用いて抽出し, 画像の複雑度を定義した。ここからシーンの動的領域分割を行い濃度補正に有効なパラメーターを抽出した。186枚のサンプル画像を対象とした評価実験から本提案手法の有効性が明らかとなった。