希土類増感紙-フィルム系のMTF (modulation transfer function) の管電圧依存性を研究した。増感紙の螢光体はLaOBr: Tmで、K吸収端は13.5keVと38.9keVであった。まず, その吸収端38.9keVを含むX線スペクトルが発生する管電圧50-80kVで, 線像を撮影した。次に, フロント側とバック側の線像分布関数を決定し, フロント側とバック側のMTFの管電圧依存性を求めた。その結果、空間周波数3mm-1以下のフロント側とバック側のMTFは管電圧とともに減少した。この現象を説明するためには鮮鋭度低下の原因として蛍光体中で発生するκX線だけでなく, コヒーレントとインコヒーレント散乱X線を考慮する必要があることを示した。