我々は溶液中での色素会合に基づく副吸収を持つ二つのシアニン色素 (NK76, NK467) とトリメチルーβ-CDとの包接の様子をクロロホルム溶液中で調べた。その結果, NK76の場合には, CDの周辺部に包接し, NK467では, キャビテイ内部に包接していることを, 円偏光二色性スペクトルの測定により確認した。 ヘキサキス (6-ドデシルアミノ-デオキシ)-β-CD (HDD-β-CD) を合成し, 色素とHDD-β-CDとの混合割合を変えてLB膜を作成した。LB膜中の可視吸収スペクトルの測定結果から, NK76: HDD-β-CD=1: 6およびNK467: HDD-β-CD=1: 7の混合比で, 色素会合に基づく可視吸収スペクトルが消失した。