3, 5-ピラゾリジンジオン誘導体 (PZ) は, その構造式の4位に活性メチレンを有しているため, キノンジイミン (QDI) とのカップリング反応に期待が持たれる。そこで6種類のPZを合成し, カップリング反応性と生成色素 (PZ-Dye) の色調を検討した。これらは現在実用されているピラゾロン (PR) 系マゼンタカプラーとほぼ同じ速度でQDIとカップリング反応し, 生成した PZ-Dyeは PR-Dye と類似の分光スペクトル特性を示すことが分かった。また, PZの化学構造における置換基の立体効果を解析した結果, PZ環の1, 2位に存在するジフェニル基に置換した基により惹起される立体的な歪みは, PZのカップリング活性には好ましくはないものの, PZ-Dyeのスペクトルの特性には非常に好ましいことが示唆された。