連続X線を使ったコーンビーム3次元CT装置での散乱線の含有率をモンテカルロ法を用いた計算機シミュレーションで求めた。この計算では, 120keVで, 4mmのALフィルタを付加した連続X線を発生させ, X線源から円錐状にX線光子を100万個発射させ, そのX線光子を1個1個追跡した。被検体には, 直径が20cmと30cmの球状の水ファントムを用いた。検出器には平面的な検出器を想定した。検出器と, 水ファントムとの距離を変化させた時の影響も同時に計算した。水ファントムの直径が大きいほど, また検出器と水ファントムとの距離が近いほど, 散乱X線の割合が大きくなることがわかった。さらに, 散乱線を考慮して断層像を再構成した。再構成法には, コーンビームコンボリューション逆投影法を用い, 再構成像に及ぼす散乱X線の影響を求めた。その結果, CTナンバーの低下は, 約100程度であることがわかった。散乱X線の割合は被検体全体にわたってほぼ一様であり, 再構成像としてはラウンドオフイメージが再構成されることもわかった。