単色X線を使ったコーンビーム3次元CT装置での散乱線の含有率をモンテカルロ法を用いた計算機シミュレーションで求めた。単色X線として, 8種類の金属のKα1線のエネルギーの値を使い, X線から円錐状にX線光子を100~400万個発射させ, そのX線光子を1個1個追跡した。被検体には, 直径が15cmの球状の水ファントムを用いた。検出器には平面的な検出器を想定した。入射単色X線エネルギーが68.79keVの場合の, 検出器で検出するX線のエネルギースペクトルも同時に計算した。X線のエネルギーが大きいほど, 散乱X線の割合が小さくなることがわかった。さらに, 散乱線を考慮して断層像を再構成した。再構成法には, コーンビームコンボリューション逆投影法を用い, 再構成像に及ぼす散乱X線の影響を求めた。その結果, CTナンバーの低下は, 約100程度であることがわかった。散乱X線の割合は被検体全体にわたってほぼ一様であり, 再構成像としてはラウンドオフイメージが再構成されることもわかった。